2023年9月30日土曜日

双方向の信頼関係

聖書は神と人間の関係を父と子の関係になぞられて表します。

しかしこの父と子の関係は、現代の日本で感じ取られる父と子の関係ではありません。聖書は神の言葉ですが、神は人を用い、人の言葉を通して神の言葉を語らせます。ですから、聖書の言葉は、聖書が書かれた時代と場所の文化的・時代的背景を背負っています。ですから、聖書が神と人との関係を父と子の関係になぞらえて書かれているというとき、その父と子の関係は2千年前のイスラエル社会における父と子との関係をイメージしなければなりません。

 そこで、2千年前にイスラエルの民にとって、父とは圧倒的な権威を持つ存在であり、子は父に従わなければなりませんでした。誤解を招かないためにか書いておきますが、わたしは2千年前のイスラエルの社会にあったような男性中心の男尊女卑的な思想や、父権社会を理想として現代の日本もならなければならないとか、聖書はそのような思想を語っていると言っているのではありません。むしろ聖書は、差別や人を人が支配するような社会を打破する意図をもって書かれているものです。ですから聖書が目指す社会は男女が平等で、すべての人の尊厳性が保たれ、ひとりひとりが尊重される社会をです。

 にもかかわらず、聖書が2千年前のイスラエルの社会の父権的な社会における父としてで語るのは、神は人間に対して権威ある存在だからであり、人間を子として語るのは、人は神の庇護のもとで、神に守られ、教え諭されながら成長していく存在だからです。

 この父と子の関係には、互いを信頼する関係が必要です。人は神が私たち人間を教え諭す言葉が、私たちを正しくより善き者へ成長させてくれるということを信頼し、その信頼ゆえに神の言葉に聴き従うことが求められ、神は神で、どんなに失敗し、過ちを犯しても、人間が正しくより善いものになると信じ、信頼して、諦めることも見捨てることもせず、人を導き続ける。そんな信頼関係が父と子の間にある信頼関係なのです。

 その信頼のまなざしを、神は今日「あなた」に注いでおられま。だとすれば、今日、「あなた」に求められているのは、その神を信頼し、神の言葉に耳を傾け、神の言葉を聞き従って生きて行くことではないでしょうか。この神と人との間にある双方向の信頼関係について、私の友人岩本遠億牧師は次のように語ります。2分反足らずの短いメッセージですが下記のアドレスで聴くことができますので、そのアドレスをクリックし、▶ボタンをクリックしてお聴きください。

https://podcasters.spotify.com/pod/show/genki-seisho/episodes/ep-e29v8jp?fbclid=IwAR3ik01XolPG-AAgl3nhJsNo8Y8DPusZ_9tnBVtMDjT5vB4WhAADNfYW9-c

この岩本牧師のショートメッセージは、岩本牧師の著書『366日、元気の出る聖書の言葉』にあるものを音声にしてお伝えしているものですが、それを岩本牧師の御許可をいただいて転載しています。

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