2024年1月13日土曜日

やり直しの人生(弟子ペテロの場合)

 イエス・キリスト様には、12使徒と呼ばれる、有名な12人の直弟子がいました。この12弟子の中のひとりのイスカリオテのユダの裏切りによって、イエス・キリスト様は捕らえられ、十字架に貼り付けられて死んだんです。でも、聖書は、イスカリオテのユダだけでなく、他の弟子たちも、さまざまな形でイエス・キリスト様を裏切った事を記しています。その中のひとりに、ペテロと言われる人がいるのですが、そのペテロは、熱血漢で、イエス・キリスト様の弟子の中ではリーダー的な存在です。ところが、こともあろうに、そのペテロが、いざイエス・キリスト様が捕らえられると、「私はイエスという男なんか知らない。」と、嘘をついてしまうのです。

 しかも、ご丁寧に3度にわたって、「私はイエスという男なんか知らない」とそう言ってしまうんですね。もっとも、ペテロにも良心の痛みというものがありますから、自分がイエス・キリスト様を裏切ってしまったことを、激しく後悔します。そして、自分の裏切りの行為を、泣いてキリストにお詫びをするんですね。そうこうしていると、十字架に付けられたイエス・キリスト様が死んで3日後に、よみがえります。そのよみがえったイエス・キリストが、ペテロ達弟子の所に現われたのです。

 私は、その時にペテロ退き持ちを想像しますとね、きっとバツが悪かったと思いますよ。自分が3度も裏切ったイエス・キリスト様が目の前にいるんですから。居心地が悪かったでしょうね。そんなペテロに対して、イエス・キリスト様は、「あなたは私を愛しますか」とそう訊ねました。もちろん、そのイエス・キリスト様の問いかけに対して、ペテロは「はい、私があなたを愛することをは、あなたがよくご存知です。」とそう答えました。
 ところが、その答えを聞いたイエス・キリスト様は、もう一度「あなたは私を愛しますか」と訊ねるのです。当然ペテロは「ハイ、愛しています」と同じ答えをする。そうすると、更にもう一度イエス・キリスト様は「あなたは私を愛しますか」とそう訊ねられたのです。
 3度も同じ質問をするなんて、キリストってなんて疑い深いんだろうって、そう思われるかも知れませんね。でもそうじゃないんです。イエス・キリスト様は、ペテロが3度「私はイエスという男なんか知らない」と言ってしまった過ちを、完全に赦していると言うことをペテロの知らせるために、わざわざ3度も「あなたは私を愛しますか。」とそう訊ねたのです。それは、過ちを犯したペテロがその過ちから立ち上がり、人生を新しくやり直していくためだったのです。

 人間は誰でも過ちを犯します。もう二度としないと思っていても、同じ過ちや失敗を繰り返すことがあります。けれども、私たちが、私たちの犯した過ちを、本当に悔い、神様にお詫びをするならば、神様は、私たちの罪や過ちのすべてを完全に赦してくれるんですね。そしてそこから、立ち上がり、人生をやり直していくことを願っておられるのです。そして願うだけでなく、そのやり直しに人生を共に歩んでくださるのです。」
 神のひとり子なる神キリストは、ペテロに3度、「あなたは私を愛しますか」と訊ねることで、そのことを私たちに教えておられるのです。すなわち、神様も神の御子であるイエス・キリスト様も、「あなた」が「あなた」の人生をやり直せるように、「あなた」を完全に受け入れておられるのです。

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