クリスマスは救い主イエス・キリスト様がお生まれになったことを記念して祝うときです。救いといいますが、イエス・キリスト様はいったい「わたしたち」を何から救ってくださるというのでしょうか。
教会に行くと、「わたしたちは罪びとです」とか、「イエス・キリスト様はわたしたちの罪を赦し、罪の裁きから救ってくださいました」などと言う表現を聴くことがあります。またいきなり「『あなた』は罪びとです」と言われ、ぎょっとしたり嫌な気持ちになった方もおられるかもしれません。私は、個人的には、この「罪びと」や「罪」という表現は適切ではないと思っています。というのも、そもそもキリスト教は、現在のパレスティナ地方にあったユダヤ教から派生したものであり、それがヨーロッパに広がりやヨーロッパやアメリカを仲介して日本に伝えられたものです。
この「罪びと」や「罪」という言葉は、その際に、宣教師たちが用いていた言葉を日本語に訳した際に起こった問題です。しかし、この「罪」と訳された聖書のもともとの原語であるへブライ語のアッターやギリシャ語のハマルティアという言葉がもつニュアンスは、現代日本語の持つ「罪」というとは、若干違っています。
日本語で罪と言いますと、「犯罪を犯す」とか、「道徳的過ちを犯す」とか、「宗教的戒律を破る」と言った意味になります。確かに、「同時的過ちを犯す」とか「宗教的戒律を破る」というニュアンスは、ヘブライ語のアッターやギリシャ語のハマルティアという言葉がもつニュアンスと重なる感じがしないわけでもありませんが、それでも全く同じではありません。
このヘブライ語のアッターやギリシャ語のハマルティアという言葉は、「的を外す」とか「目標を見失う」と言った意味を持つ言葉です。要は、どこに行ったらいいのかわからない、人間として目指すべき目標を見失ってしまい道に迷ってしまったような状態なのです。ですから、「わたしたちは罪びとです」という言葉は、「わたしたちは、人間として本来あるべき姿を見失っています」ということであり、「イエス・キリスト様はわたしたちの罪を赦し、罪の裁きから救ってくださいました」ということは「イエス・キリスト様は、道を見失って迷子になって帰るべき家を見失っている私たちを助けてくださり、私たちが帰るべき家に連れて帰ってくださるのだ」ということなのです。もちろん、この場合の「変えるべき家」とは神様のもとです。
子どもが道に迷うというのは、とても危険なことです。それこそ、誘拐にあったり、事故にあう危険性があります。ですから、外国では子供を一人で出歩かせると虐待として罰せられる国すらあるのです。それがたとえ大人であっても、たとえば山で道を見失ってしまい迷子になってしまうと、即、命の危険にさらされることさえあります。聖書は、まさに人間はそのような状態にあるのだというのです。人間は、神様と共に歩み、神の前に生きる者として、その人格と人間性を成長させていく歩みを歩んでいくものであるのに、自分勝手に歩き始めてしまったために、本来歩むべき道を見失ってしまい、命の危険にさらされているというのです。
そのように道に迷ってしまっている「わたしたち」をイエス・キリスト様は、助け、導きき、神のみもとへ導いてくださる救い主だというのです。その救い主イエス・キリスト様がお生まれになったことを覚え、記念し祝うのがクリスマスなのです。
けれども、そのイエス・キリスト様がお生まれになり、この世界で生きられたのは2000年前のパレスティナ地域です。だとすれば、どうすれば現代の日本に生きる「わたしたち」がイエス・キリスト様のお助けをいただけるのでしょうか。大丈夫、イエス・キリスト様は、そのために世界中に教会というものを残していかれたのです。教会はキリストの体だと言われます。教会という場に身を置き、そこで語られるイエス・キリスト様のお話を聞く中で、私たちは神様のもとへと導かれていくのです。
私は、イエス・キリスト様の救いを「迷子」という視点からお話をしましたが、私の友人の岩本遠億牧師は、その救いを壊れたパソコンの修理に譬えながら2分半程度の短いメッセージでお話ししています。岩本牧師の話も、とても分かりやすい譬えです。その岩本牧師のメッセージは、下記のアドレスをクリックして『366日元気の出る聖書の言葉』というページに行き「神様の修理工場」というタイトルのところにある▶マークをクリックしてくだされば聴くことができますので、併せて是非おききください。
https://podcasters.spotify.com/pod/show/genki-seisho/episodes/ep-e2culhu?fbclid=IwAR3copYRQ06GyC0HjJx4-onkFjEd_k_1Nf_f_gr-L6a89GO9czQyCkB_U6U
この岩本牧師のショートメッセージは、岩本牧師の著書『366日、元気の出る聖書の言葉』にあるものを、岩本牧師自身が音声にしてお伝えしているものですが、岩本牧師の御許可をいただいて転載したものです。
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